次女を連れて、スーパーに買い物に行った。
買い物を済ませてスーパーの駐車場に戻り、次女をチャイルド・シートに乗せる。ベルトのバックルを留めようとするが、うまくいかない。
あれ? どうしてかな? あ、しまった、捩れている。
留めようとしたベルトを一旦ほどき、捩れている箇所を探して伸ばす。普通のシートベルトと違って、チャイルド・シートは、まっすぐでないとちゃんと留まらないんだよね。
と、突然。
ブオォォォン!
凄まじいエンジン空ぶかしの音が近くでしたので、驚いて顔を上げると、運転席側の駐車スペースに、乗用車がお尻を半分だけ突っ込んだ状態で停止していた。
あちゃ、来ていたのか。
さっきまでここは空きスペースだったから、後部座席のドアを全開にしていたのだが、何時の間にかクルマがやってきて、駐車しようとしたものの、私が立ったままモタモタしていてとめられないので、運転者が苛立って「早うせい」と合図を送ってきたらしい。
名前はわからないけれど(クルマ音痴なもので)、セダン型のぴかぴかして高級そうなクルマ。燦然と輝くもみじマーク。
運転席にはもみじに相当する年代の男性、助手席の奥様とおぼしき女性が振り返ってこちらを見ている。
最近のお年寄りは、こらえ性が無いって聞くけれど。ホンマやな。
ここはスーパーなんだから、荷物を積むのに時間がかかってしまうことはあるでしょう。まして私は、赤ちゃんを乗せようとしていたのだし。
3分も5分もかかっていたわけじゃないのよ。せいぜい1~2分くらいのもの。そのくらい、待ってくれてもいいんじゃないの? 遊んでいたわけじゃないのに。
早くとめたかったのかもしれないけれど、だからといって
赤ちゃんに排気ガスを浴びせることないじゃないの。
クルマの中からじゃ、私が何をしているかまではわからなかっただろうけれど、それなら尚更、事情も知らずにイキナリ怒り出すのは、違うんじゃないかな。注意を喚起するにしても、空ぶかしが正しい方法とは思えないんだけどな。
確かに、隣の駐車スペースにドアをはみ出させて、モタモタしていた私にも非はある。でも、そういうのって、もちつもたれつなんじゃないかなぁ。もし私が待っているほうの立場だったら、大人しく待つか、別の駐車スペースを探すもの。
空ぶかしひとつで、クドいかな。けれどもこれが、如何にも馬鹿そうな若者じゃなくて、もみじマークをくっつけたお年寄りだっていうことに、苛立ちが増す。
人生の大先輩として、大人の行動をとってもらいたいものですがねえ。
大人しく待っていてくだされば、私も「お待たせしてすみません」っていう合図を目礼で送ってから発進したのだけれど、「ブオォォォン」のお陰でそんな気持ちも失せ、私と次女に排気ガスを故意に浴びせられたことにも怒りを覚えたので、そのセダンの方は見ないようにして、チャイルド・シートをセットすると、さっさと運転席に乗り込んでエンジンをかけた。
大人気ないのは私も同じかな。