朝食の後片付けをしていたとき。
つるっと手が滑った。
ぱん。
軽い音がした。
あ~、やった!
ガラス製のマドラー、落としちゃった。
このところ、朝食後のコーヒーがアイスになっているので、マドラーは大活躍だ。長女がコーヒーをかき混ぜるのを「おてつだいするー」と楽しみにしている。
グラスの中の氷水をガラスのマドラーでかき混ぜる音って、涼しげで気持ちいいんだよね。朝から爽やかな気持ちになる。
それなのに。
ああもう、子どもが裸足で歩き回るところにガラスの破片を撒き散らすだなんて、なんてこったい。
「どうしたの?」
私の声を聞きつけた長女がやってくる。「来たらアカン!」
居間から出るなと、長女に厳しく言いつけておき、這いつくばって掃除をした。フローリング掃除用のウェットシートとドライシートで何度も拭く。キムワイプ欲しいな。
こんなもんかと立ち上がると、居間で固まっていた長女が改めて「おかあさん、どうしたの?」
と訊いてきた。
「アイスコーヒーをかき混ぜる棒を、壊しちゃったのよ」
「ええ~!
じゃあ もうにどと、あいすこーひー のめないの!?」
イヤそれは大丈夫。