久々に仕事の話(私はドラッグストアの販売員やってます。現在育休中)。
70代くらいの女性がカウンターにやってきて、
「テープをくれ」と言う。
ドラッグストアでテープってったら、まず、包帯やガーゼをとめる絆創膏かな? って思う。紙絆創膏、プラスチック製絆創膏、布絆創膏、粘着包帯、そういったものを頭に思い浮かべて、陳列してあるコーナーに案内しようと身体を動かしかけながら、
「どのようなテープでしょうか?」と訊ねると、
「とるテープじゃ」
取る? 何を? ゴミかな? 時々訊かれて困っているんだけど、ウチの店はカーペット掃除用のコロコロ・クリーナー、扱っていないんだよね。
「え…っと、何を取るものでしょう?」
「テレビじゃ」
???
テープでテレビを、どうやって取るのよ。
当惑していると、お客様は苛々した様子で「とるテープ」と繰り返す。
「あのう」
横に立って聞いていた、アルバイト嬢がそっと私をつついた。
「ビデオテープのことじゃないですか?」
……ああ!“撮る”、ね。
ウチの店では扱っていないし、今まで扱ったこともなかったから、思いもよらなかったよ。そりゃ、ドラッグストアって何でも屋さんの趣があるから、ビデオテープを扱っている店もあるだろうけどさ、何で薬屋の店頭で「テープ」と言って、ビデオテープのことだとすぐに伝わると思うのよ。
お年寄りってこれだから、扱いにくい。きっと“ビデオ”という単語が脳味噌から抜け落ちてしまっていたんだろうけどね。
テープがあれば何でもできる!? | エキサイトニュース
こんなことを思い出してしまいました。
まだ家庭用DVDが普及していなかった頃のハナシ。