イギリスで、8~10歳の子どもに頭痛が多く発症した。子どもの頭痛はそれほど珍しくないが、あまりに数が多いので調べたところ、患者は皆、同じ行動をとっていたことがわかった。
全員『ハリー・ポッター』の本を、ベッドに寝転がって仰向けの姿勢で長時間読んでいたというのだ。分厚く重い本を長時間持ち上げていたので、腕と肩に負担がかかり、それが頭痛に繋がったというわけ。
『ハリー・ポッター』ほど面白いお話でなければ、イマドキの子どもが頭痛を起こすほど長い時間、本を読みつづけるなどありえない。
これは“ホグワーツ頭痛”と呼ばれた。
ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
J. K. ローリング J. K. Rowling 松岡 佑子 / 静山社
ISBN : 4915512576
ネタバレです。
これから読むつもりの方は、この先は読まないほうが良いです。
読むつもりがない方は、…たぶんサッパリ意味がわからないと思います。
スネイプ先生の行動は、ダンブルドアの指示によるもの。
マルフォイへのヴォルデモートの命令が(スネイプから聞いて何らかの命令が与えられていることは知っていた)自分の暗殺であることを察した(ケイティやロンの事件から、ターゲットを確信)ダンブルドアは、マルフォイをヴォルデモートから救うため、殺人者としてアズカバンに送られることを避けるために、いざそのときになったらマルフォイの代わりに自分を殺すようスネイプに命令した。当然スネイプは拒否したが、他に方法がないので命令を受け入れるよう強く叱責した。この場面をハグリットが目撃したわけ。
勿論、死は偽装。スネイプは「アブダ・ケダブラ」呪文をかけるふりをしてダンブルドアを単に塔の外に飛ばし、ダンブルドアはスネイプがつくった「生ける屍の薬」で仮死状態になっただけ。
ダンブルドアの“遺体”をすりかえたのはマクゴナガル。棒キレか何かをダンブルドアの遺体に見せかけてハグリットに運ばせて火葬した。
真相を知るのはスネイプとマクゴナガルだけ、でもマクゴナガルは、「スネイプが自分を殺したらそれは偽装なのだから、遺体をすりかえるように」という命令を受けていただけで、それ以上のことは(分霊箱の件とかハリーに対する予言の件とか)は知らないと思う。
スネイプとマルフォイは、ホグワーツ城のなかにいるんじゃないかな。一旦は姿をくらませても、魔法省からも死喰い人たちからも逃げおおせるのは難しいから、ホグワーツから人々がいなくなったころに舞い戻ったとか。だってダンブルドア(死んでいないけれど死にかけてはいる)を治療できるのはスネイプしかいないのだし。
はじめ遺体をすりかえたのはハグリットかともおもったけれど…、彼には“秘密を守る”という業務は難しそうだし。他に信頼できる魔法使いはマクゴナガルくらいだもんね。変身術の先生でもあるし。
……と、いう仮説を、第7巻(何年後じゃぁ)を読むときまで信じておくことにする。
なんとなれば、ハリー・ポッターシリーズのなかで一番のお気に入りキャラがスネイプ先生なので。もう、本を読み終えて、ショックから立ち直るまで数週間かかったわ。
何日もかかってスネイプ先生の行動を正当化するリクツを考えつづけ、ファンサイトに書き込まれた感想をちらちら読んで(深く読み込むとさらにわかんなくなるから、ちらっとだけ)、もう1回最初からじっくり読み直して、ようやく上記の推理に至ったわけ。
あの映画がアカンよな~。本を読んでいてもスネイプ先生が出てくるたび、「べったりと張り付いた黒髪」とか「底意地の悪い笑み」とかいくら書いてあっても、あの渋いアラン・リックマンの顔が目の前をチラついてしまうので、どーしても彼を悪人にはしたくないのだわよ。コンピューターディスプレイの壁紙は未だに『アズカバンの囚人』のときのスネイプ先生だし。
あと、スネイプ先生が悪人でないと信じる根拠は、“心から信頼する人物に裏切られることがある”というのが子ども向け小説の結論であってはならないから。
ロンとハーマイオニーがくっついたのは嬉しかった! だって2巻あたりからロンがハーマイオニーのこと好きなのは明らかだったし、ハーマイオニーもハリーよりロンを好きになるタイプだと思っていたし。(日本でファンが出版した解説本に、ハリー&ハーマイオニーがカップルになると予想したものがあったけれど、ゼッタイ違う! って思っていた。)
ジニーのキャラが少々違和感。これも映画の影響で、あの地味な少女の印象が強いから。あの子が「花の香り」のする美少女に変身するには、…どうだろ、あの年頃の女の子はわかんないからなぁ。まぁ、映画が6作目までつくられるとは限らないけれど…(つくんなかったら、世間が許さないか。)
フラーの「私がふたりぶん美しいと思いまーす」には泣き笑い。もっと、ビルとフラーのいきさつやトンクスとルーピンのごたごたなんかも読みたいところだが。書いてくんないかなぁ。
それにしてもこのシリーズ、“ル”ではじまる名前のキャラが多すぎるぞ! スクリムジョールが出てきたときは「また“ル”かよぉ!」と叫んじゃったよ思わず。
ともかく。
7巻を読み終えるまでは死ねません。