5月5日は、
スーパームーンだそうで。
夕方、洗濯物を取り込もうとベランダに出たときに思い出し、東の空を見てみた。
果たして、でっかい月が、近所の住宅の屋根の上に上っている。
しかし、いかんせんまだ空が明るい。水色の空に白い丸がうっすらと見える程度で、あまりスーパーなカンジはしない。それに、普段月を見上げる習慣がないから、大きいと言えば大きいが、いつもより大きいかと言われればわかんない。
ともかく。これがスーパームーンか、なるほどなるほど、と感心しながら眺めた。洗濯物を取り込み終わったら、子どもたちも呼んでやろう。いつもより大きいかはともかく、見事な満月だ。
ところが。
ほどなくして、辺りがぱぱっとフラッシュを焚いたように一瞬、明るくなった。
と、遠くから微かな唸り声が響いてくる。
あちゃ、雷か。
雷雲はどこだろうと空を見上げると、南西の空に稲光が走った。
東の空を再び見上げると、空の色は濃くなり、月の輝きは強くなっていた。
フム。スーパームーンと稲光。なかなかゴージャスな天体ショーではないの。
雷光は数分おきに、ぱっ、ぱぱっと走る。
地上近くでは、蝙蝠が数匹、屋根と屋根の間を縦横無尽に飛び回っている。
ぱらぱらぱら。
雨音がしはじめたかと思うと、近所の田んぼから蛙の鳴き声が聞こえてきた。
……わ、わいるどだぜぇ?
今日は、クルマで2時間弱ほどの距離にある農業テーマパークへ、家族で遊びに行ってきたのだった。
山花畑に牧場、いわば、自然のものを人間が都合よく利用している場所だ。そして街中の住宅街に帰ってきて、人の手の入りようがない自然現象を目の当たりにしている。
不思議な思いだった。
3たび、東の空を見上げると。
スーパームーンは、すっかり黒雲に覆われて、見えなくなってしまっていた。
あちゃ~。子どもたちに見せそびれたし、写真も撮りそびれたよ。ヤレヤレ。